臨海部の工業地帯で重機の遠隔操作が瞬停する
この事例で実施したこと
- 現地対応
- 電波の計測
- 同時計測
- 切り分け
- 即時解析・報告
| 症状 | オペレーター側のコントローラーからの重機の遠隔操作中に、重機が一瞬止まる挙動をする (瞬停)。また異なる特定の不安定動作が稀に発生する。 |
|---|---|
| 原因 / 切り分け | 重機側の無線ルーターが一定の周期で「別の無線を探しに行く」設定になっていて、そのたびに通信が 1 秒未満止まっていた。 |
| 結果 | その機能をオフにし、同じ条件で一定時間再確認して、通信の途切れと瞬停の消失を確認した。稀に起きていた不安定動作も、付随して解消した。 |
状況#
臨海部の工業地帯の屋外で、操作用のコントローラーと重機側の無線ルーターを直結し、操作の指令だけを送る構成です (映像は別系統)。「重機が瞬停する」が数分のうちに何度も起き、異なる特定の不安定動作も稀に発生していました。このコントローラーからの操作で瞬停が大きく、他の機材からの操作では影響が小さかったため、まずコントローラー側の問題が指摘されていました。また、発生がランダムに見えたため、周辺の電波環境による障害も疑われていました。
原因の特定につながった調査#
- 利用している通信帯域の電波を計測しながら、同時に遠隔操作を行い、不具合が起きたタイミングを記録。
- 不具合の時刻と、電波の途切れ、ルーターが定期的に出す信号の有無を照らし合わせる即時解析を、現場で実施。
- 対策後に、同じ条件で一定時間の再確認。
分かったこと#
- 電波 利用している帯域で、ルーターの信号が一定の周期で一時的に消えていました。外部からの妨害電波は検出されませんでした。
- 通信 信号が消えている間は操作信号のパケットが詰まり、復帰後にまとめて流れていました。
- 不具合 瞬停が操作信号のパケットの途切れの直後に起きていることを特定できました。操作していない時刻に起きた同じ途切れも、潜在的な停止点として検出できました。
- 結論 3 つの周期が一致。外部の妨害ではなく、ルーターの設定が原因でした。
- 付随して分かったこと 根本的な問題はコントローラーではなくルーター側にあり、コントローラーで瞬停が大きく出ていたのは、途切れたあとの通信の復帰にかかる時間が重なった複合的な問題と推察されました。
対策と結果#
ルーターの「別の無線を探しに行く」機能を無効にして同じ条件で一定時間再確認したところ、通信の途切れと瞬停は消失しました。稀に起きていた不安定動作も、付随して解消しました。「コントローラー側の問題」や「周辺の電波環境による障害」が疑われていた不具合について、根本的な原因がルーターの設定にあることを、電波の計測から切り分けることができました。
- 対策 ルーターの「別の無線を探しに行く」機能をオフにしました。
- 再確認 同じ条件で一定時間。通信の途切れと瞬停の消失を確認しました。
対策は設定を 1 つ変えるだけでしたが、現場においては潜在する原因にたどり着くための問題の切り分けまでが難しいことが多々あります。電波を同時に計測して不具合の瞬間と照らし合わせる「第三の目」を持つことが、問題解決の近道になった事例です。